アメリカ留学・ホームステイ

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ハワイ在住教育コンサルタント

親子の関係:①問題児くん

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こんにちは、Tinaです。

我が家にホームステイに来た小学生の男の子。YMCAキャンプに参加しましたが、そこで問題行動を起こしました。とても大切な子育てについてのお話を、「親子の関係」シリーズ編にして、ブログに書いていきたいと思います。

 

 

仮名:イルカ君。

数年前、イルカ君は初めてホームステイにやってきました。我が家にステイしながら通いのキャンプに参加しましたが、そこでスタッフに暴言を吐いたり、おちゃらけて大人の話を遮る行動を繰り返したため、厳重注意を受けました。

 

ホストマザーの私は、イルカ君と時間をかけて話をしました。イルカ君は言いました。

 

「キャンプが楽しくて最後まで通いたいので日本に帰さないで。もう暴言は絶対吐かない。約束する」と。

 

多少の無理はあったものの、イルカ君の言動に少し改善が見られ、本人がキャンプスタッフに謝って継続の許可を得、なんとか最終日まで通うことができました。

 

ですが、イルカ君は、ホームステイ中にも、他の参加者をつねったり叩いたりの問題行動を起こしていました。その都度厳しく注意し、私はイルカ君と1対1で話し合いを繰り返しました。

 

子供達が帰国した後、他の参加者の親御さんから報告を受けて初めて知った事は、イルカ君が私たちの見ていないところで夜、仲間を足蹴りしたり叩いたりしたということでした。おまけに、イルカ君とはもう一緒にホームステイしたくない、イルカ君がいるなら来年のYMCAには参加したくない、と、仲間たちからも見放されてしまいました。

 

この出来事について、私はイルカ君のお母さんとメールでやり取りを繰り返しました。お母さんは子育てに悩みながらも自分ではどうしてよいかわからず、たまたま見つけた私のブログ&ホームステイプログラムの情報にたどり着き、イルカ君を我が家に送り出したのです。そこで起こした問題ですから、お母さんにとってはかなり厳しい現実と向き合わざるをえなかったことでしょう。日々の暮らしの中、イルカ君を少しでも良くしようとお母さんは頑張ります。そして、2度目のホームステイはイルカ君一人での滞在。YMCAキャンプにも参加しました。

 

イルカ君がキャンプインする前に、私は毎日毎日念仏を唱えるように彼に伝えました。キャンプでの約束事、暴力・暴言はいけないこと。

 

イルカ君は私や彼のお母さんの期待を見事に裏切りました(泣)。注意事項を守らない、聞かない、唾を吐きつける、他の子供に思いっきり体当たりして転倒させる、足を引っ掛ける、頭を叩く、つねる。同じキャビンのメンバーの一人は、イルカ君が嫌で、キャンプ終了日を待たずに帰ってしまいました。

 

YMCAキャンプ中、子供がルールを守らない・暴力を振るう等の問題行動を起こした際、まず担当のスタッフが本人に厳重注意し、それでも繰り返す場合はカウンセラーとの面談に移り、アクティビティ参加はできずに見学のみとなります。それでもまだ問題行動が見られる場合には、キャンプディレクターとの面談になり、この責任者が、子供を退去させるかどうかの判断を下します。退去の場合は保護者に連絡が入りますので、迎えに行かなければなりません。

 

グループ行動に支障をきたす言動、他人に嫌がらせし続けてディレクター面談までいったイルカ君。

 

 

 

イルカ君のお母さんはシングルマザーです。一家の大黒柱として暮らしを支えるために夜勤のある仕事に就き、ほとんどお休みなく働いていて、イルカ君と過ごす時間がなかなか取れません。

イルカ君はテレビを見ながら一人でご飯を食べます。朝起きた時にはもうお母さんは出勤していることが多く、学校から帰って夜遅くまで何時間もテレビを見続けます。お行儀もすごく悪くて基礎的な生活習慣はほとんど身についていません。お勉強嫌いで、その学年のレベルとは到底思えないほどのひどい文章力。仲間に意地悪して嫌われ、学校の先生からは見放され、楽しいはずのキャンプにも参加できない。

 

 

イルカ君の将来、もう、見込みなし。 

と、こんな状態でも言い切ってしまえない気持ちが、私にはあって、

それは、

 

 

イルカ君は、お母さんのことが、大好きなんです。

 

「大好き」っていう気持ちが心の中にちゃんと生きている限り、まだ、人との関係を築き上げるチャンスがイルカ君にはある、私はそう信じています。

 

 

 

 

イルカ君のようないわゆる「問題児」と呼ばれる子供がなぜ、注意されても問題行動を繰り返すのか、皆さんはおわかりでしょうか?

 

「他人に暴言を吐く・大人を困らせるようなことを繰り返す」ことにより、他人の注目を自分に集めようとしているからです。

 

「こっち向いて!自分のこと見て!もっと気にして!心配して!」

 

と、自分に関心を向けてほしい!という強い感情が「問題行動」となって現れます。相手をつねる・叩くという暴力行為は、その子の心の中に存在している”怒り”の表現。イルカ君の心の中でメラメラと燃え盛っている「怒り」が、他人への攻撃につながっているのです。

 

皆さんにもありませんか?ムカーッとなった時に、その怒りをぶちまけたくなる衝動が。相手を蹴ったり物を破壊したりまではしなくとも、紙をグシャグシャーと丸めてポイしたりやけ食いしたり(➡︎私、これ、しょっちゅうします、、、笑)

 

 

まだ大人になりきれていない小さい子供は、言葉にして自分の怒りや苦しみを吐き出したり、人に危害を加えない範囲でストレスを発散したりする術を知りませんので、「問題行動」を起こすことで自分を表現しているわけです。モヤモヤした気持ち、怒りを、体の中にたまった悪いものを、外に出さないと、誰だって調子が悪くなりますから。

 

 

大人でも、暴力を振るったり人に暴言を吐くのが趣味みたいな人がたまにいますが、それはその人の性格が悪いからではありません。子供時代に親から関心を向けられずに恐怖に怯えて育ってきたせいで、大人になっても「他人との関係」がうまく築けずに(人間関係の築き方がわからない)、その恐怖から自分を守るために、弱さを見せないように、暴力や暴言というツールを使って「自分を強くて存在感のある人間」に見せようと必死になっているのですね。

 

逆に、いつもニコニコしていて人当たりが良く、誰にでも好かれていそうで人間関係に悩みなんて全くなさそうに見える、いわゆる「良い人・優等生タイプ」でも、実は、心の奥深くではものすごく苦しんで自分と葛藤しているということも、結構あります。そのケースについては次回のブログでお伝えしますね。

 

 

 

今回はイルカ君の例を出しましたが、子供が起こす問題行動のほとんどは(すべてと言っても過言ではありません)、親子の関係が根っこになっています。

 

子供って、親(育ててくれる人)がいないと生きられません。0歳から始まってかなり長い期間、誰かに育ててもらわないと生活は成り立ちません。この期間に、親あるいは育ててくれている大人から愛情をかけてもらえない・関心を向けられない、ということは、子供にとって「地獄」なんです。生きるか死ぬか、命に関わるほどの「恐怖」となります。

 

「恐れ」を感じながら生きるのって、ものすごくつらいですよね。怖くてたまらない。怖くて不安でどうしようもなく孤独で、だから、人を攻撃してしまう。攻撃してしまうんだけど、実は、本当は、好かれたい、甘えたい、認めてほしい、と思ってるんです。

 

 

親にありのままの自分を認めてもらえない、そして、暴力・暴言のある安心できない環境で育つと、

 

必ず、子供は、症状を出します。

 

 

イルカ君の場合には、「他人への暴力や暴言」となって現れていますが、他にも、「不登校」「いじめ」「家庭内暴力」「レイプ」など、いろいろな「症状」があります。

 

犯罪のみならず、結婚生活・夫婦関係がなんとなくうまくいかない、結婚離婚を繰り返す、転職を繰り返す、自分のやりたいことが何なのかわからない、何をしても続かない、アル中、買い物依存症、パチンコ依存症、などなど、

 

これらすべての原因は、「親子の関係」と強くリンクしています。

 

今日は「問題児編」を書きましたが、次回のブログでは「親子の関係②いい子ちゃん編」のお話です。それではまた!

 

ALOHA,

Tina

 

 

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